爽やかな秋晴れのもと、三十三間堂法住寺にて、一弦琴の演奏会が行われました。
桓武天皇の時代の書物にその存在が記録され、江戸時代までは公家や武家のたしなみとして親しまれてきた一弦琴、今では数える程度の演奏者しかいらっしゃいません。
昨年知人に誘われて、初めてその音色に触れて以来、そのシンプルでかつ複雑な音色は耳から離れることがありません。琴であって琵琶のような‥枯れたようで澄んでいる、とても趣のある音色です。
大西一叡先生の演奏される”泊仙操”、京都白川の山中にこもっている仙人が、四季の移り変わりを綴った演目です。春は鳥、夏は水、秋は虫、冬は枯れ葉の音を、一弦の音で見事に弾き語ります。
春は梢に ももどりの さへづる声も のどかなり
夏は谷間に 真清水の 岩にせかるる 音涼し
秋は草葉の 夕露に あはれを添ふる 虫の声
冬は時雨の 降るなべに 落つる水の葉の 音わびし
いつか冬暮れ また春に
立ちかへり 立ちかへり
渓壑の興 かぎり知られず
写真は稽古生の前平容子様 一弦琴とともに
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