2010年2月28日日曜日

寒櫻・桃櫻

今日は、日頃お世話になっている方々のお手伝いで、 とある式典演奏のお手伝いに行って参りました。
帰りに立ち寄った平野神社にて、春を先取り。

この神社は、江戸時代から「平野の夜桜」として桜の名所として全国に知られ、特に珍種が多く現在  も約50種約400本の桜が植栽されているとのことです。


寒櫻と

桃櫻。

まだまだ冬の装いの残る景色にほころぶ白い可憐な姿。
本格的な春の到来は間近ですね。

ちなみにこのサクラ、古来の日本の言葉では、
「サ=神様 クラ=座」 (神様の宿る座)
という意味を持つそうです。

春の到来とともに、一面に咲き誇る満開の白い花。
厳しい冬を乗り越えた後に一斉に神様をお迎えし、
大地を浄化しながら、あたらしいいのちの誕生を祝福されるのでしょうね♪

2010年2月18日木曜日

香十徳


  感格鬼神  清淨心身

  能除汚穢  能覺睡眠

  静中成友  塵裏偸閑

  多而不厭  寡而為足

  久蔵不朽  常用無障


1. 感は鬼神に格(いた)る - 感覚が鬼や神のように研ぎ澄まされる
2. 心身を清浄にす - 心身を清く浄化する
3. よく汚穢(おわい)を除く - 穢(けが)れをとりのぞく
4. よく睡眠を覚ます - 眠気を覚ます
5. 静中に友と成る - 孤独感を拭う
6. 塵裏に閑(ひま)をぬすむ - 忙しいときも和ませる
7. 多くして厭(いと)わず - 多くあっても邪魔にならない
8. 少なくて足れりと為す - 少なくても十分香りを放つ
9. 久しく蔵(たくわ)えて朽ちず - 長い間保存しても朽ちない
10. 常に用いて障(さわり)無し - 常用しても無害


これは香道に関する十の得。古くから香に関する訓や効用を記したものですが、普段の生活においてもなんとも学ぶべきところの多い心得ではないでしょうか?!
嗅覚は最も本能に近い感覚とされ、それを研ぎ澄ますことにより心身・精神の統一をはかった日本人の感性の深さに感嘆を覚えます。

2010年2月15日月曜日

新春 そして 春の雨


新春あけましておめでとうございます。
2月14日は立春過ぎて初めての新月、陰暦では新しい一年の始まりです。

毎年この日を迎えると、ようやく1年がめぐり新しい流れが始まる、と実感することができます。


そして夜から続く春雨。
これまでの雨とはまったく表情が違い、しっとりと大地と植物に潤いをもたらしてくれているかのよう。
新たないのちの芽吹きの季節の始まりです。


素晴らしい一年になりますことをお祈りしながら、新年の慶びを寿ぎ申し上げます。


本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます!!


2010年2月2日火曜日

山田松香木店

以前から知人にお伺いしていた香木店、ふらりと通りがかり、覗いてみました。 気持ちのよい店内には、とても落ちつく香りが立ち込めています。


そこで見つけた塗香、密教系のお寺のご本尊の前でよく見かける粉状のお香です。お参りして目にする度に気になっていたのですが、説明を読むと、修行者が修行の前に身体につけてお清めするものらしく……袋の箱を開けただけで、心身引き締まる香りが漂います。お香を炊くのは大変ですが、これさえあればいつでも身体に身につけられると早速購入!!外出の前に手のひらと首筋に塗り、小さな器に入れて持ち歩くことに☆






この山田松香木店、用事でお伺いした近くの吉田装束店の店主がおっしゃるところによると、昔は店の軒先でお香を乾燥させていたため、辺り一帯がお香の良い香りがたちこめていたのだとか。当時はもちろん道路も舗装されてはおらず、なんとも風情あるお話に、京都らしさを満喫することができました。



帰りに、御所の木々を眺めながらふらりと日本一おかき処播磨屋本店へ。 なんとこちらでは、無料でおかきとお茶がいただけるのです! 朝から何も食べずに出かけていた私には、なんとも嬉しいひと時でした♪

1・31 リハーサル 

先日、日本文化研究所・なら の主催するスペイン文化交流ツアーの初リハーサルが行われました。 これは、スペインの世界遺産認定都市であるトレド市長からの招聘をうけて企画されたもの。 帝塚山大学で神楽・奈良学を研究されている勝部月子博士の先導により実現されたものです。 日本文化の誕生の地である古都から「奈良の春をはこぶ」というテーマで、日本伝統文化の唄・三味線・笙・舞踊・書の技を五感を使って堪能していただく、というのが今回の趣旨です。



場所は若草公民館、ここは聖武天皇の御陵のすぐ近く、戦国時代には大和支配の拠点となり松永久秀や明智光秀、柴田勝家や織田信長といった歴代の武将達が入城した多聞城のすぐ近くという歴史的にとても重要な地であります。(蛇足ではありますが、信長が正倉院に伝わる名香「蘭奢待」を切り取ったのはこの時であるそうです!)

年明けに顔合わせをしたものの、まだ軽い緊張感の中で、軽い意識あわせ、そしてリハーサルが始まりました。三味線の丸岡栄美さん、日本舞踊の西川麗矢さん、書の五十棲環さん、それぞれの技が披露され、その後はとても清清しい気配に包まれながら、皆の意識がさらに団結できたような…日頃から技を研鑽するために切磋琢磨されている方々のお姿を拝見することは、とても刺激になります。



今回のツアーでは、トレド市内にある新築されたばかりのCCM多目的文化センターでの公演、そして現地世界遺産にも登録されているサラマンカ大学(予定)、NARA小学校での出張授業が行われます。


素晴らしい旅となりますように☆

この素晴らしい企画にお声掛けいただいた吉田様はじめご縁のある方々に、多大なる感謝の意をこめて…