2009年12月22日火曜日

1222冬至

今日12月22日は冬至の日、「日短きこと至〔きわま〕る」、一年中で昼が一番短く、夜が一番長い日です。日照時間が一番短く夜が長い日、昔は冬至の日は「死に一番近い日」と言われており、その厄〔やく〕を払うために体を温め、無病息災を祈っていました。

この冬至に、「ゆず湯」に入り、「冬至かぼちゃ」を食べる風習が日本にはあります。「ゆず湯」は、厳しい寒さの中でも健康に暮らせるようにと、浴槽に柚子を浮かべてはいるお風呂のことで、江戸庶民から始まったようです。ゆず湯は、風邪を防ぎ、皮膚を強くするという効果があり、湯につかって病を治す―湯治(とうじ)にかけているとか、柚子は融通が利くようにと願いが込められているともいわれています。「かぼちゃ」は、厄除け・無病息災によいと言われ、実際にかぼちゃにはカロチンやビタミンが多く含まれています。冬に野菜が不足した時代には、かぼちゃは貴重な栄養源だったのでしょうね。

「ユール(Yule)」とは、現代では北欧でクリスマスのことを言いますが、キリスト教が伝来する以前からこのユールのお祭りは行われておりました。実は、ユールとは元々は古代ケルトの冬至のお祭りのことだそうです。冬至は、世界中で1番お祭りが行われている日なのだそうです。日照時間が短く、光が弱いときがこの日終わりになり、太陽が輝きを増し暖かい春の季節に近づいていく、世界が明るくなっていく日として、とても喜ばしい1日だったのでしょう。
「太陽の誕生日、再生の日」としての祝祭です。

これから寒さは増していくものの、太陽のエネルギーはパワーアップしてゆきます。太陽を味方につけながら、かぼちゃとゆずでこの冬を元気に乗り切りましょう!!

今夜はもちろん、かぼちゃとゆず風呂、いただきます。



2009年12月20日日曜日

春日若宮おん祭り

毎年12月15日から18日、春日大社の若宮さまのお祭りが催されます。15日に行われる大宿所祭りの湯立ての行事は見れませんでしたが、16日深夜すなわち17日零時から行われる遷幸の儀、暁際から3日連続でお参りしてきましたのでそのご報告です。

16日の夜、打ち合わせ終了後、このまま向かえばまだ間に合うと、奈良の春日大社に直行、はるか遠くにご本殿で行われる儀式を見守ります。静謐な境内に神官による警蹕と楽が鳴り響く中、暗闇の中に、炎の明るさに包まれて巫女の舞いが浮かびます。闇と光が圧倒的な濃度で交錯しながら反発しあい、とぐろを巻いて渦まいているかのよう。儀式が終了、まず松明と沈香で参道を清めたあと、繰り返す警蹕の中で杉の枝で顔を隠した神官達が、ご神体をお旅所までお運びします。参道脇にたち、ご神体が通られる際には、低頭、2拍手。まるで宇宙光線を浴びたかのような、とてつもないパワーを感じます。
行列はそのまま参道にあるお旅所へ。暁祭が始まりお供えが供えられた後、巫女による神楽がご奉納され深夜2時半に終了。



次の日は、正午から、行宮へ遷られた若宮神のもとへ芸能集団や祭礼に加わる人々が社参するお渡り式、そしてお旅所祭りが行われます。今回はお旅所祭りからの参加です。大寒波の到来、吹きすさぶ風の中で式典は始まります。
大名行列のかけ声が参道にこだましているなかを神職が参進し、左・右の太鼓が鼕々と打ち鳴らされ、奏楽のうちに神様にお供え(神饌)が捧げられる。このお供えは、お米を青黄赤白に染め分けて飾る「染御供(そめごく)」という珍しいものだそうです。 続いて宮司がご幣を捧げ、祝詞を奏上してのち行宮の下に座を進め、神職が退いたあと日使の奉幣・祝詞があり、各種団体の代表、稚児や願主投、大和士などの拝礼がおこなわれます。 このあと午後3時30分頃から神楽に続いて田楽・細男・猿楽(能楽)・舞楽など、午後11時近くまで各種神事芸能が奉納され、その後24時までに、ご神体は若宮ご本殿まで戻られます。

大寒波のため、風が強く雨が降るかと思いきや、田楽の口上が始まったとたんに風が一層強くなり、なんと雪が舞い始め‥!!しかしその後演目が進むにつれ、天気は回復、星空が広がりはじめました。
篝火のもと、厳かに執り行われる芸能の数々‥日本であって日本でないような、不思議な光景が広がります。


そして18日、ご神体のいなくなったお旅所行所の前で、お祭りに関わった人たちへのねぎらいの行事とされる後宴能。今年の演目は、金春流による「生田」、茂山千五郎氏による狂言「呼声」、そして金春欣三氏による「葛城」。葛城山に行脚した出羽の山伏を、葛城の明神が舞いを舞ってもてなすという「葛城」では、本当に明神が降りてこられたかのような静謐な雰囲気に。



そして、神様のお使いである鹿までもが舞台に繰り出す場面もありました☆はるか鹿島から鹿の背に乗ってこられたという春日の神様が、かつらぎの明神をお迎えにあがったのかもしれませんね?!





2009年12月11日金曜日

イノリ ノ オトタマ  大田神社 チャンポン祭

京都北区にある大田神社、ここはすぐ隣にある上加茂神社よりも創建は古く、カキツバタで有名な大田の沢は、秦氏の灌漑によって平安京が創設される以前、古代の京都に広がっていた沼沢地の面影を残しているといわれています。

こちらのお宮では、毎月10日には、月次祭として、ちゃんぽん祭が行われます。
この祭りでは、氏子であり、奈良時代から続くという巫女の家系の男女2名ずつのご老人が、お囃子と巫女舞からなるちゃんぽん神楽を奏されます。御鈴を鳴らしながら廻るだけの単調な舞いですが、現在の神楽の原型ともいわれ、京都市の無形民俗文化財にも指定されています。銅拍子・つつみ太鼓によるお囃子が、シャーン、ポーンと響くところから、チャンポンという名前がついたのだとか。

ご祭神は天鈿女命(あまのうずめのみこと)であり、岩戸開きの際に、天照大神がおかくれになった岩戸の前で、舞いを舞わられたことで有名な芸術の神様でもあります。このたびは、そのちゃんぽん祭の際に、ご奉納演奏をさせていただきました。

夜のとばりがとっくに降りた午後19時、祭りは催行されます。
静けさの中に神楽の音色と宮司の祝詞が響き‥厳粛かつ神秘的な雰囲気に包まれます。

祭りのあと、ご祈祷を受け、いざご奉納。

演奏終盤にさしかかったとき、雨が一粒一粒、幾層にも重なる高音のグラデーションとなって透明に響き渡りはじめ‥思わぬ伴奏を奏していただけました。

ご奉納をご一緒させていただいた高井様と小島様による祈りのボレロ、アテネオリンピックの際に起こったロシアのテロ事件を知った際に浮かんだというメロディは、やさしくせつなくあたたかく胸の奥に染み入ります。


平安の地が、永遠に平安でありますように

平安の地より、平安の祈りを


そんな想いが届いたのか(?)、御神威をいただけたのでしょう、拙宅の仲が悪かった猫ちゃん2匹が、翌朝は仲良く毛づくろいしあっておりました☆


写真は、落雷した樹齢500歳の上加茂神社のご神木からつくった菓子皿だそうです。
高井宮司さまは、神社の雰囲気そのままの、とても穏やかで素敵な方でした。

お誘いいただいた高井様と小島様に、この場をお借りして、心から感謝いたします。

2009年12月9日水曜日

HIROKO ART GRASS



先日、神戸大丸にて開催されたHIROKO ART GRASS展に行ってきました。

ガラスの透明感と色彩の併せ持つ輝きと、工程の一瞬一瞬がつくりあげるフォルムの美しさにしばし時間の経過を忘れ‥ガラス工芸という伝統技術を駆使して、現代の生活にマッチした美をいかに組み立てていくかといった植木さんの姿勢にとても感銘を受けます。



植木さんとマネージャの織田さんと久しぶりにお会いすることができ、そして偶然にも知人のご紹介で以前京都のギャラリーにお越しいただいた方も植木さんの作品を見に来られ‥
どうしてこのタイミング?と居合わせた皆びっくり☆

おりしも最終日、最終の新幹線に間に合うように撤収されるのを光栄にもお手伝いさせていただきがてら、素晴らしい作品をさらに味わうことができました。

現在、東京国立近代美術館工芸館「装飾の力」にて、植木さんの作品がご覧いただけます。お近くの方は、ぜひお足をお運びになってくださいませ♪


ガラスデザイナーである植木寛子さんは、ギャラリー経営されていたご実家で幼少からガレやドームといった優れたガラスアートを身近に触れながら育ち、美大を卒業された後にルーマニアで被せガラスの技法を学ぶ。その後、イタリアのムラノにてピカソやダリ等と仕事をともにした世界最高峰の職人ピノ・シニョレット氏とともに、「ガラスの靴」をテーマに作品づくりを展開。フランス現代美術オークションに落札されたり、イギリスバッキンガム宮殿にて作品出展されたりと、自由な発想とデザインと、職人魂が呼応する素晴らしい造形を誕生させています。








寒ニモ負ケズ、虫ニモ負ケズ‥

うちの庭のカリフラワーくん、
寒さのせいか、手づかみでの(笑)虫取り作戦が功をなしたのか、
青虫たちも最近はあまり姿をみかけなくなり‥

穴ぼこだらけのレースのような姿になりながらも、
ようやく少しずつ顔を覗かせてくれました。




2009年12月8日火曜日

御事始め・御事納め

今日12月8日は、釈迦が成道(悟りを得ること)したとされる日。各地のお寺では成道会が開催されます。

そして、「事」を年の祝いととらえる地方では12月8日を事始め(事納めは2月8日)、「事」を農業ととらえる地方では12月8日を事納め(事始めは2月8日)といい、仕事や祭礼の始まりと終わりの日を意味しているようです。
1年間お世話になった道具を片付け、新年を迎えるしたくを始める日ですが、この日に針供養をするのも、着物の時代の大切な道具だからでしょう。裁縫を休んで、折れた針を集めて豆腐やこんにゃく等の柔らかいものに刺し供養をするようです。この、いたわりの気持ちがここちよいですよね!
また、新年のおせちを調理するための薪や門松の竹なども、この日に採りに行き、新年の準備にそなえたようです。江戸時代には、里芋・こんにゃく・にんじん・小豆を入れた「御事汁」を食べたとか。

師走にはいり、気忙しい季節です。新年はもう間近、お身体あたたかくしてご自愛くださいね☆

2009年12月5日土曜日

ある日の散歩道


猫を病院に連れて行く道すがら、
近所の公園の夕陽の美しさに、思わずパチリ☆

樹木もすっかり冬支度完了、
春の到来にむけて、厳しい寒さから身を守りながら、
次の芽吹きの準備を始めていることでしょう。
最近、陽光に赤みが増してきたせいか、時間とともに移ろいゆく
光のグラデーションがとても素敵なのです。